Q1.
登山する前の準備運動は普段と同じで大丈夫でしょうか?

A1.
準備運動の目的として重要なのは、ケガの予防と、登山が可能な良い状態まで導いてあげることです。まずは軽いウォーキングなどで身体を少しずつ動かしていきます。身体が温まったらストレッチングをして、筋肉を伸ばしていきましょう。多くの距離を歩くため、股関節や膝周り、足首については、特に入念なストレッチングが必要です。
ただし、登山では下半身の筋肉だけではなく、リュックを背負ったり、トレッキングポールを使用したりと、上半身の筋肉も動員されます。全身万遍なくストレッチングすると良いと思います。


Q2.
疲れにくい登り方を教えて!

A2.
登山の疲労感は、脚を中心とした筋肉を動員して歩くことで筋肉疲労が発生し、酸素需要が増えることで、心拍数が上がり、心肺的にも苦しくなるというサイクルになります。したがって、出来るだけ筋肉を疲労させないように歩くことが、重要になります。登山は重力に逆らいながら、自分の身体を上に運びます。当然平地を歩くより大きな筋力が必要になります。平地と同じスピードで歩けば、すぐに限界が来てしまいます。そこで重要なのは、歩くペースになると思います。最初は余裕があっても、歩幅は小さく、ゆっくりとしたペースで歩き始め、徐々にペースを上げていくと良いでしょう。また、脚を踏み出しながら、上体の前傾動作を利用して重心移動を行う方法も良いのではないでしょうか?


Q3.
下半身にあまり負担のかからない下り方を教えてください。

A3.
下山時は、登山時の疲労がある上に、さらに脚で身体を支えながら下りていくので、ある意味、登山時よりも過酷かもしれません。まず、簡単にできる対策としては、トレッキングポールを利用することです。上手に利用すれば、脚への負担も軽減されます。歩き方については、大きな歩幅や、重力に任せて速く歩いてしまうと、脚には相当な負担となります。出来るだけ段差の少ない場所を選び、足裏全体で安定して足をつける場所を探しながら歩くことがポイントです。また、脚の筋肉への負荷としては登りよりも、下りの方が強くなります。こまめにストレッチングをして、筋肉をリラックスさせてあげて下さい。


Q4.
登山に向け体力をつけたいのですが、効果的なトレーニングはありますか?

A4.
登山に必要な体力要素は、持久力・筋力・柔軟性・バランスなどが考えられ、実に多くの要素が必要になります。限られた時間で手軽にということを考慮すると、その中でも、持久力「歩く」ことが重要だと思います。登山ともなれば数時間は歩きます。平坦なところで長く歩けなければ、登山は大変なものになると思います。まずは休みながらでも良いので、比較的平坦なところを、少しずつ長く歩けるようにしていきましょう。慣れてきたら、上り坂や下り坂を取り入れていきます。特に上り坂は心拍数が上昇し、心肺能力を鍛えるには効果的です。歩いた後には、ストレッチングを実施することで、より効果的に柔軟性を得ることが出来ます。さらに余裕がある方は、筋力強化やバランストレーニングにもチャレンジすると良いでしょう。


Q5.
転倒しにくくする為にできるトレーニングはありますか?

A5.
転倒は、皆さんご存知のように、バランスを崩した時に起こります。原因としては、慣れない環境であることや、無理をしてしまうこと、思わぬハプニングからなど、様々です。登山に備えて出来ることは、環境に慣れるために、短めの登山や、自然のトレイルを歩くなど経験を少しでも多く積むことも重要です。また、自身の身体に出来ることは、体力の限界を引き上げることで、ハプニングを回避できる体力的な余裕を作ることが必要です。バランストレーニングも有効と考えられ、足裏から股関節・体幹にかけての安定性を図るエクササイズを実施することも良いでしょう。


Q6.
登山初心者が富士登山登頂を目指す為の事前トレーニングを教えて!

A6.
基本的には、Q4でお答えした内容でトレーニングをしていただければ良いと思います。それらトレーニングと併せて初心者の方には、登山の知識や経験を多く積んで富士登山にチャレンジしていただくのが、良いのではないでしょうか?富士山は高山病の恐れのある過酷な山です。アスリートが高地トレーニングとして、標高の高いところでトレーニングをしますが、大きな効果の反面、身体への負担も大きいと推測されます。標高が高いと通常よりも心拍数が上昇する傾向があります。そういった身体への負担を事前に経験することにより、安全な登山が出来ると思います。まずは宝永山への登山などがおすすめです。


Q7.
登る前にストレッチングをしておけば、下山後にはしなくても大丈夫?

A7.
登山時と下山時では、筋肉にかかる負荷の種類が、多少違いますが基本的にはどちらもこまめに、ストレッチングをした方が良いでしょう。筋肉は働くことでだんだん筋緊張が増していきます。ストレッチングを実施することで、筋緊張を取ってあげることや、血流が促進され、疲労物質が除去されるなどの効果が期待できます。特に下山後は、翌日に起こる可能性のある筋肉痛を少しでも抑えるためにも、入念に実施することをおすすめします。


Q8.
ノルディックウォーキング用のポールで登山をしても大丈夫?

A8.
ノルディックウォーキングでは、専用にデザインされたポールを使用します。通常のトレッキングポールとの大きな違いは、2つあります。まずストラップ部分が、ノルディックウォーキングのポールでは、ストラップを装着すると、手と完全に固定されてしまいます。もし転んでしまった時には、手を着くことが困難で、危険が伴うかもしれません。もうひとつは、ポール先端の形状です。ノルディックポールのパッド先端は斜めになっていて、接地面積が少ないため、安定感に劣るかもしれません。したがって安全面を考慮すると出来るだけ、トレッキングポールを使用した方が良いと私は考えます。


Q9.
筋肉を攣った際の対処法とストレッチングはありますか?

A9.
筋肉を攣る」は、何らかの影響で筋肉が異常収縮してしまい、激しい痛みに襲われます。登山中に脚が攣る原因としては、運動により筋肉の疲労が蓄積されたことや、発汗によりミネラルの不足が生じたことが原因として考えられます。もし登山中、攣ってしまったら、まずは安全を確保し、徐々に攣った筋肉をストレッチングしていきます。落ち着いたら、水分補給も兼ねてスポーツドリンクなどで、失われたミネラルの補給をしましょう。登山中は、こまめにストレッチングや水分補給をすることが、予防するためのポイントだと思います。


記事協力:
医療法人社団青虎会
フジ虎ノ門整形外科病院
有酸素運動施設プラーナ

病院併設の会員制スポーツクラブです。専属トレーナーが個人の目的に合わせた運動プログラムを提案してくれます。

〒412-0045 静岡県御殿場市川島田字中原1076番地2
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